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意識の謎。意識は科学にとって最大の難物であるといわれる。というのも、意識は、客観的な事象ではなく、主観的な経験とそれに伴う「感じ」によって特徴づけられるものであるからだ。リンゴを目にしたときのあの赤さ、あるいは、足の小指をタンスにぶつけて生じたこの痛み。そんなものを科学はいったいどうやって説明できるというのだろうか?

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「宇宙は神によってつくられた精密な時計のようなものだ」という決定論的な宇宙の見方は、1920年代の量子力学の誕生によって劇的な終焉を迎えた。量子力学は、非相対論的な速度における原始、電子、光子の振る舞いを最も正確に記述できる体系だ。

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決定論的な宇宙というニュートンとラプラスの夢(といっても私の意見では悪魔だが)をホオ無理去ったのが、量子力学の「不確定性原理」だ。名高き不確定性原理は、理論物理学者ウェルナー・ハイデルベルクによって1927年に定式化されたもので、この宇宙ではどんな粒子(たとえば光子や電子)についても、「粒子の位置」と「運動量(質量に速度を乗じたもの)」の療法を同時に正確に測定できないという原理だ。

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量子の速度が正確にわかれば、量子の位置は明確には決定されず、逆に、位置が決まれば速度がわからないということだ。今日の測定機器の精度が低いだけで、技術さえ進歩すれば不確定性原理は克服可能であるというわけではない。

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不確定性原理は、現実の宇宙の法則、構造そのものなのだ。

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微小な粒子の位置を正確に決定しようとすればするほど、その速度は不確定に(あやふやに)なる。逆に、速度を正確に決定しようとすればするほど、位置は不確定になる。

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アルバート・アインシュタインは、その生涯を終えるまで、自然界にみられるこの偶発性と折り合いをつけることができなかった。この文脈で出たアインシュタインの有名な言葉が、「神はサイコロを振らない」という一節だ。

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アインシュタインは気に入らなかったかもしれないが、息を呑むような美しい星空を見上げれば、偶然がこの宇宙で果たしてきた役割を見てとることができる。銀河は、広大な宇宙空間の全体に一様に広がっているわけではない。銀河を形づくる数々の恒星は薄く広がって並んでおり、銀河と銀河のあいだには、あまりの広さにため息しか出ないような、何もない空間もある。

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その空間を光が端から端まで渡るのに数百万年もかかるほどだ。太陽系を含むわれわれの銀河系は、おとめ座超銀河集団の一部だ。私たちの太陽は、その銀河集団のなかの10億兆個もの恒星のひとつに過ぎない。これらの星や銀河の位置的な偏りは、偶発性によってつくられたものだ。

意識をめぐる冒険 クリストフ・コッホ (著), 土谷 尚嗣 (翻訳), 小畑 史哉 (翻訳)

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