アドラー心理学とは?『嫌われる勇気』岸見一郎

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最近、本屋さんへ行くとアドラー心理学に関する本がずらっと並んでいますね。なんでもテレビドラマにもなっているそうです。
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アルフレッド・アドラーは、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される人物にゃ。彼の発想は「原因論」の心理学とはまるっきりちがう「目的論」にあるにゃ。
A
目的論とは何ですか?

アドラー心理学の「目的論」とは?

B
フロイト的な心理学では、過去に「トラウマ」という「原因」を見つける。にゃが、アドラー心理学は過去にあるトラウマを明確に否定し、「いま」の「目的」で考えることを基本とするんだにゃ。トラウマは過去にあるものではないんだにゃ。今ここにあるものんだにゃ。
B
例えば、何年もひきこもっている若者がいるとする。彼が「両親に虐待を受けたから社会が怖い」と主張していたとしたら、両親は子育てが失敗したのだと感じて腫れ物にさわるような対応ににゃるだろう。これは、自らのトラウマを使って相手の注目を集め、支配しようとする関係なのだにゃ。自尊心を傷つけられることはもっと嫌なことで、このような展開をひたすら避けようとする「目的」が、過去のトラウマに紐づけされた結果なのだにゃ。
A
アドラー心理学では過去や未来で人生を捉えないということですね。「いま・ここ」その刹那の連続として人生を捉えなおすということですね。
B
そうだにゃ。この発想は現在の自己啓発セミナーでもとてもポピュラーな視点だにゃ。福本博文の『心をあやつる男たち』は高度成長期の日本にアメリカ流の自己啓発セミナーを持ち込んだ者たちを描いたノンフィクションだがにゃ、そのなかに実在の有名トレーナーがある女性をヒーリングするシーンがあるにゃ。その女性はおとなしい社長夫人、自律神経失調症を患っていて体重は36キロしかなくて、ストレスで心臓が止まるといって医師から大量の薬を持たされていたんだにゃ。
A
フロイト流の精神分析では幼児期の歴史に病の原因を探ろうとしますね。そのとき、トレーナーはどのような対応をしたのでしょう?

「いま、心臓を止めてみてください」

胸を押さえたまま彼女はしきりに首をかしげた。

「緊張すると心臓が止まるのでしょう?さあ早く止めてください」

彼女は、堀田の顔を呆然とながめていた。

「いくらやっても止まりません」

「おかしいですね。9年間も心臓が止まっていたんでしょう。いったいどうしたのですか」

彼女は盛んに胸を触っている。

「どうしてかしら?」

堀田は、視線を合わせて言った。

「心臓は止まりませんね。それが、あなたですね」

メンバーが、一様にうなずいた。

「だって、心臓が止まらないあなたが『いま・ここ』にいるじゃないですか」

堀田は黙って見ていた。彼女は、第三者に自分がどう映るのか、少しずつ見えてきたようだった。そして、堀田は言った。

「あなたは、自分が自律神経失調症だと思って、安心していたでしょう」

「え……!?」

「でも、『いま・ここ』で発作を起こそうと思っても、発作は起きない。それがあなたではありませんか?」

次の瞬間、彼女は呪縛されていた自己観念から解放されたようだった。

「私の思い込みだったようです」

彼女は、晴々とした顔で泣いていた。

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