脳があなたのいる場所を認知する仕組み(空間認識の仕組み)

脳があなたのいる場所を認知するしくみ

あなたは、自分が駐めた車の場所をどのように記憶しますか? また、自分が正しい方向に進んでいるかどうかが、どうしてわかるのでしょう?神経科学者であるニール・バージェス博士は、自分を取り巻く空間を把握する神経メカニズムと、それがどのように記憶やイマジネーションと結びついているかを研究しています。

B
「海馬」とは記憶を司る器官だにゃ。神経細胞でできたタツノオトシゴと、ニール・バージェス博士は言ってるにゃ。ラットの海馬を計測していて発見されたのが、特定の場所に行ったときだけ活動する神経細胞があるとにゃ。
A
「海馬」のある細胞と場所が結びついていると?
B
うむ。多くの細胞を計測していくと、ラットが移動した場所ごとに別々の細胞が働いていることがわかったんだにゃ。
A
海馬に空間の地図があるという……
B
神経細胞は地図を作って脳全体に「いま自分がどこにいるのか?」メッセージを送ってくれている。それでにゃ、この「場所細胞」は人間にも見つかったんだにゃ。
B
だが、それは「場所」に結びついている神経細胞ではないんだにゃ。それは自分の位置を知るための「方角」に結びついているにゃ。ニール・バージェス博士は認識する部屋の大きさによって、どのような変化があるか? 実験しているにゃりね。
B
ネズミや人間は、迷ったとき「動き回ること」でざっくり情報を統合するという。グリットパターンに実際の空間を合わせて、マップを創っているんだにゃ。

空間把握能力の測定テスト

Neil Burgess: How your brain tells you where you are

ネズミは空間上に仮想のグリッド(格子)を 置いているようです。要するに、それは地図にある経線や緯線のようなものです。三角形ですけどね。ラットがあちこち動き回るとき、ある細胞からある細胞へと活性が受け継がれていくことで現在位置が把握されます。だから、自分の動きを利用して今どこにいるかを知ることができるのです。

人間もそうなのか? まず、全ての格子状のパターンには対称の軸がありオレンジで示したような方向性がありますね。つまり、私たちが6つの方向のどれかに向かっている場合とそうでない場合で、脳の特定の場所にあるグリッド細胞の活動は変わるはずです。そこで何人かにMRIスキャナーに入ってもらい、先ほどお見せしたようなゲームをやってもらってこの信号を探しました。すると脳の「嗅内皮質」の中に見つかりました。ラットのグリッド細胞がある部分と同じ場所です。

あなたの記憶はこの密な相互作用によって場所細胞が互いに活性化させあい、そして、境界細胞が活性化し、あなたの視点の周りの空間を構築することで始まっているのかもしれません。そしてグリッド細胞は視点を変えてくれます。まだ言及していない「頭部方向細胞」は どの方向に顔を向けているかによって、コンパスのように活性化するのです。それらはあなたが創造したい視覚的イメージに合わせて視野角を決めています。

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