多元宇宙論のパラレルワールドと人間の認識の関係とは?

現実とは違う世界を作り上げる脳の戦略とは?

ドナルドホフマン:視覚の文法と脳が物を見るゲシュタルト法則とは?

A
前回の、脳は生存のために現実の断片のみを認識することについて、続きです。これは、「百聞は一見にしかず」という言葉でいえば、「その一見すら疑え」ということですよね。
B
うむ。例えば、オーストラリアに生息するある種のタマムシは、その生殖戦略を受け継いでいった結果どうにゃったか。人類がビール瓶を捨てはじめると、ビール瓶とメスの体を区別できなかくなってしまったんだにゃ。そして、にゃんと絶滅してしまった。
B
カリフォルニア大学、アーバイン校の認知科学者ドナルド・ホフマンはこのように言う。認識は、高度になればなるほど、断片的な情報で現実を処理しながらエネルギーの節約をはかっているんだにゃ。これは、現実とは違う世界を作り上げる脳の戦略ともいえるにゃ。
A
もっとも客観的かつ標準的な視覚は、機械のカメラのようなものですね。物体に反射した光から映像を得ます。しかし、網膜に当たった光と、そこから私たちが認識する三次元で描き出された物体のイメージには、数十億もの神経細胞と数兆ものシナプスが関わってしまっています。ですから、当然のように、誤解、誤魔化されているかもしれない、ということですね。
B
そうにゃ。 ホフマンはPCのデスクトップを例えに使っているにゃりね。「文書ファイルを開くためには、青の四角いアイコンをクリックしますがファイル自体は青く四角いものではないでしょう?」にゃ。つまり、人間の知覚システムは概念の牢獄ともいえるにゃ。そうではないものが、青の四角いアイコンに見えてしまうんだから。
A
人間たちが目にしている物理的な物体とは、ただのシンボルにすぎない。ただの記号にすぎない、と。この辺りは意味論的にも納得しました。物体が存在しているかのように見える時空間は、客観的な現実を超えた特定のインターフェースのデスクトップの上と同じということですね。あらゆるインターフェースと同じく、基本構造との因果関係の中に存在するわけですが、その枠組みはけして絶対的に実在するようなものでもないと。
B
うむ。古代の人間はこの知恵をすでに持っていたともいえるにゃ。色即是空、空即是色。見える物を「色」と呼び、見えないものを「空」と呼んだわけにゃりね。人間もネコも、万象万物が「空」なんだにゃ。この宇宙自体が、認識が創り出す、それぞれちがったパラレルワールドということも言えるにゃ。このあたりの話は、物理学者のブライアングリーンによる多元宇宙論の本が興味深いにゃ。
A
確かに、ホフマン氏のいうとおり、時空間の外側にある現実を想像することは難しいですね。ですが、数学なら牢獄に開いた隙間を広げることができる部分もある。私には、とても多次元空間を思い浮かべることができませんが、人間は数学的な形で無限の次元区間を処理できるわけです。
B
数学の助けを借りることで、この知覚の牢獄の存在の認識を解放するということにゃ。それを超える世界に関する新しい理論を形成することもできる。ホフマンは知覚から形成された宇宙観にある2つの矛盾を指摘しているにゃ。
B
まず、1つ目は、意識体験を説明できないことにゃ。例えば、神経細胞と化学伝達物質という物理的物質から、いかにしてチョコレートの味のような感覚を得ているのだろうか? これは「クオリア」といえばわかりやすいかにゃ? 人間は、すべての経験を「クオリア」を通して経験しているわけにゃ。
B
次に、2つ目は、観測されていない粒子の状態は無限であるという量子力学の解釈についてにゃ。これは見ていようが見ていまいが物体は永続的に存在するという仮定をぐらつかせてしまう。観測者を必要とするからにゃりね。
A
そこで出てくる説が、方向を逆転させて、意識自体から始めるべきなのだ、と。それは現実の基本的な実体が「意識」であり、そこから物理世界が生じている。かなりスピリチュアルな話になってきました!

意識主体のネットワークから探求する知覚世界とは?

B
意識体験のひとつの側面として、経験者がいなければその経験を得られないらしいこと。彼はこれを知覚と意思決定と行動の3つの情報チャンネルで構成されると考えているにゃ。古典的な物理世界観では、知覚チャンネルへの入力は物体から反射する光で、行動チャンネルの出力はこの物理世界に働く変化にゃ。こうした見方から物理世界を切り出すために、彼はその主体をお互いに繋ぎ合わせてみたにゃ。ある主体の知覚の入力は他の主体の行動の出力で、ある主体の行動の出力は他の主体における情報の変化ににゃる。そこで、ホフマンによると、現実は意識主体のネットワークであるんだにゃ。
A
現実は意識主体のネットワークであると。このネットワークの力学を研究することで、その相互作用が私たちが認識する世界の知覚へと構築されるあり方を理解することができるというわけですね。
B
もちろん、現実はいくらでも別の姿になる可能性を持っているにゃ。このモデルから、時空、物理的物体、量子場理論、一般相対性理論を導き出せると証明することができるかもしれない。それはイコール、「宇宙における心とは何か?」という問いの答えが出たということにゃ。
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