タコは宇宙人だった?タコゲノムの中に別の星からやってきた証拠がというデマ
ネイチャー誌 蛸のゲノムのなかに別の星の出生

Octopus genome holds clues to uncanny intelligence
http://www.nature.com/news/octopus-genome-holds-clues-to-uncanny-intelligence-1.18177






生命宇宙起源説について 松井孝典 神保哲生 宮台真司
今、このパンスペルミア説が現在の宇宙科学の中の、とりわけアストロバイオロジーと呼ばれる分野の研究では、非常に有力な仮説になりつつある。NASA(アメリカ航空宇宙局)のチーフサイエンティストがこの4月7日、10年以内に地球外生命体の有力な兆候がつかめるとの見通しを示すなど、今やNASAの宇宙研究プログラムの最大の目標が地球外生命体の存在を証明することにあると言っても過言ではない。
アストロバイオロジーの第一人者で、世界的な権威でもある松井孝典氏(東大名誉教授・千葉工業大学惑星探査研究センター所長)は、そんなパンスペルミア説を提唱する科学者の一人だ。そもそも地球上でランダムにタンパク質の合成が進んだ結果、今日のような生命体が偶然組成される可能性は、数学的には10の4万乗分の1程度の確率しかない。地球の誕生から46億年しか経っていないことを考えると、その限られた時間内に10の4万乗分の1の確率でしか起こりえない組み合わせが偶然実現すると考えるには無理がある。しかし、もし宇宙に地球と同じような惑星が無数にあるとすれば、そのどこかの惑星でそれが実現する可能性は十分にあり得ることとなる。
ただし、生命体が宇宙から飛んできたという仮説を証明するためには、まずバクテリアやウイルスなどが何らかの形で惑星の大気中から宇宙空間に飛び出していく可能性があることを証明する必要がある。その上で、その粒子が宇宙線や光の圧力などによって宇宙を浮遊し、引力や磁界の力で地球に落ちてくるメカニズムが存在することを証明しなくてはならない。
そして、松井氏は「スリランカの赤い雨」が、その仮説を裏付ける有力な証拠を提供してくれる可能性があるとして、目下、その研究を鋭意進めている。「スリランカの赤い雨」というのは、2012年にスリランカの北中部州からウヴァ州にかけての地域で降った赤色をした雨のことで、松井氏は既に、雨が赤く見える原因を作っている数ミクロンサイズの赤い雨の粒子が、地球由来のシアノバクテリアと同じ遺伝子構造を持つ生命体であることを突き止めている。地球上の最古の生命体を考えられているシアノバクテリアは通常は緑色だが、強い紫外線を浴びると赤色に変色する。これは地球上のシアノバクテリアが何らかの形で宇宙空間に達して生存し続け、そこで強い紫外線を浴びた上で、何らかの形で雨の粒子となって地球に降り注いだことの証左になり得るというのだ。
引用元: 松井孝典氏:われわれはどこから来たのか
パンスペルミア説について
パンスペルミア説は、生命の起源に関する仮説のひとつ。地球の生命の起源は地球ではなく他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものとしている。1903年に、スウェーデンのスヴァンテ・アレニウス博士が提唱。
現在、パンスペルミア説を検証するために、日本の共同チーム(代表は東京薬科大学の山岸明彦)によってたんぽぽ計画が進められている。これは2015年からおこなわれており、国際宇宙ステーション (ISS) のきぼう実験棟の船外に設置したエアロゲルと呼ばれる超低密度のシリカゲルにより、宇宙空間を漂う微小な隕石や粒子を集め、そこに生命の材料になるような有機化合物が含まれるかどうか、また微生物が惑星間の移動に耐えられるかどうか、数々の問題を検証するための実験が行われている。
生命の起源は宇宙(そら)にあるのだろうか。