けものフレンズ考察とゲノム編集の技術(さばんなちほー)








癒し系の猿の惑星? けものフレンズ第1話「さばんなちほー」
倫理的な懸念と遺伝性の病気の治療につながる可能性?
米科学アカデミーが14日、狙った遺伝子を改変する「ゲノム編集」技術で受精卵や生殖細胞の異常を修正して子どもをもうけることを容認するとの報告書を公表した。
ゲノム編集とは?
ゲノム編集(Genome Editing)とは、CRISPR/CasシステムやTranscription Activator-Like Effector Nucleases(TALEN)等の技術により遺伝子特異的な破壊やレポーター遺伝子のノックイン等を行う新しい遺伝子改変技術のことです。
生物の遺伝情報を自在に書き換えられる、ゲノム編集という技術をヒトの受精卵に応用することについて、アメリカを代表する科学者で作るアカデミーでは倫理的な懸念があるものの、遺伝性の病気の治療につながる可能性があるともした。将来的には厳しい条件のもとで容認する可能性があるという報告書を公表しました。
ゲノム編集は5年前に、従来よりもはるかに簡単で正確に遺伝情報を書き換えられる技術が開発されて以降から、幅広い分野で研究が進んでいます。この技術をヒトの受精卵など生殖細胞に応用すると、子どもが生まれた場合、遺伝子の改変の影響が世代を超えて受け継がれたる可能性があります。また、改変で予期しない副作用が起こりうるなど倫理的な問題や懸念が指摘されおり、アメリカを代表する科学者で作るアメリカ科学アカデミーによってこれまで2年近くにわたり、この技術の応用をどこまで認めるべきか議論を重ねてきたといいます。
先日、14日に公表された報告書では「ゲノム編集の生殖細胞への応用は倫理的な懸念はあるものの、技術の進歩は早く、遺伝性の病気の治療につながる可能性がある」と記載されていました。
このゲノム編集は将来的に他に治療の選択肢がなく、その病気に関わる遺伝子だけを操作すること。そして、数世代にわたる追跡調査や透明性の確保など、厳しい条件の下で実施を容認する可能性を示唆しています。その一方で、身体や知的な能力を伸ばす目的では使うべきではない、としました。
ゲノム編集の生殖細胞への応用をめぐっては、一昨年の国際会議で「現時点では無責任きわまりない」とする声明をまとめ、今回の報告書は将来の容認に向けて前進したといえます。この報告をまとめたアルタ・チャロ委員長は「影響が次世代に引き継がれる技術の実用化には多くの研究が必要だ。社会と対話しながら進めることが欠かせないだろう」としています。
最新遺伝子技術 ゲノム編集 日本では?
ゲノム編集の技術を使ってヒトの受精卵の遺伝情報を操作する研究をめぐっては、去年4月に、国の生命倫理専門調査会が、遺伝情報を操作した受精卵を母体に戻すことは認めないとしています。その一方で、基礎的な研究として受精卵の遺伝情報を書き換えること自体については、ヒトの遺伝子の働きを解明したり、難病の治療などに役立つ可能性があります。そのため、研究に限定して認められるとする部分もあり、現在も協議を続けられています。
今回の報告書について生命倫理に詳しい北海道大学の石井哲也教授は「ゲノム編集の技術をヒトの受精卵に使えば、目や髪の色といった遺伝情報を自在に操作できるだろう。さらに、遺伝子を操作した影響は世代を超えて受け継がれるので、倫理的な懸念が生じるはずだ。今回の報告書は、ヒトへの応用の可能性を示しつつも法整備や社会との十分な対話、研究の透明性の確保といった高いハードルを設定したもの」と話したそうだ。
引用:ゲノム編集 将来はヒトの受精卵に応用も 米アカデミー
http://mainichi.jp/articles/20170216/k00/00m/040/091000c